- 社労士事務所の給料って安い?
- 社労士は税理士などと比べると低年収って本当?
- 高年収を稼げる社労士になるにはどうすればいい?
社会保険労務士の資格を持っている人や勉強中の人は、
「社労士事務所で働くこと」を一度は検討した事があると思います。
ただ、ネットで「社労士事務所は給料が安いからやめとけ」みたいな口コミ評判を見て、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
結論から先に言うと、
社労士事務所は「どういう規模の事務所で働くか?」によって、
稼げる給料がまったく違います。
ひとくちに「社労士事務所勤務」といっても、
年収300万円台で苦しんでいる人もいれば、
年収1000万円までもう少し!みたいな人もいるのです。
この記事では、実際に社労士事務所(社労士法人)で10年働いている私が、
「稼げる社労士」になるにはどうすればいいのか?について解説します。
これから社労士を目指して勉強をスタートする!という人から、
すでに社労士事務所で働いているけど、給料安くてやってられない…
とお悩みの方まで、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事を書いた人
1991年生まれ男性。大学卒業後はフリーターから未経験で社労士事務所に入社→初任給2,500,000円から9年で8,600,000円まで昇給→現在、40人程度のオフィスの新規顧客の窓口対応や社内採用、オフィスマネジメントなどを担当しています。
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この記事の目次
社会保険労務士事務所の給料は安い?私の給与明細
まずは、実際の給与明細を見てもらった方が早いかと思いますので、
↓社労士事務所で10年近く勤務している私の給与明細をお見せしますね。
なお、私は社労士資格はない無資格のスタッフです。
月の給与は総支給額で700,000円弱(699,000円)。
月給手取りにすると57万円ほどです。
社内で退職金の積立制度があるため、1,000円だけは積立に当てています。
月30時間分の残業時間はみなし残業手当として、700,000円の中に組み込まれた支払いになっています。
その他役職手当や家族手当、資格手当といった特別な手当ての支給などはありません。
賞与はなく、1年にインセンティブとして1度、100,000円程度の支給があります。
年収では8,600,000円ほど頂いています。
「あれ?全然安くないでしょ」と思った方も多いのではないでしょうか。
私の場合は役職と社歴年数もあるので、ほかの社員と比べて貰っている方だと思います。
ですが、業務量はとても多く、残業時間が月100時間を超えているのが実情です。
もちろん、残業手当が追加で払われることはありません。
そして、「土日の出勤や自宅での業務もやらないと仕事が終わらない」という日々を過ごしています。
ですが、私は無資格かつ未経験から入社しているので給与水準には不満はないです。
とはいえ、同じ働き方をしてこの給料をもらいたいと思う方は少ないかもしれません。
ここで言いたいのは、「私は給料が多いよ」ということでは決してありません。
社労士も「働く場所」と「働き方」によって給料は大きく異なるということを伝えたいのです。
だから、給与明細を公開しました。
と言うことで、この後は、具体的にどうやって給与を上げていったのかを解説していきます。
>>優秀なのに低年収な社労士…になりたくない人が知っておくべきたった1つのこと
「高年収を稼げる社会保険労務士」になるために大切なこと
しっかりと高年収を稼げる社会保険労務士になるためには、
以下のようなことを知っておくのが大切です。
1. 独立社労士で成功するのは「非常に厳しい」のが現実…
先ほども解説しましたが、社労士の働き方は私のように事務所や企業で働く「勤務社労士」と、自分で独立する「独立社労士」の2つに分かれます。
正直、独立社労士として成功するのは難しく、あまりおすすめできません。
独立社労士として成功するのが難しい理由はいくつかありますが、
代表的な理由は以下のとおりです。
- 営業力が必要
- 顧問料が安い
まず一番大事なのが、自分で仕事をとるということです。
つまり、「営業」が問われます。
新規顧客の獲得をするためには、営業が必要です。
お客様を見つけて契約することができなくては、
社労士の知識や実務力があったとしても、全てが無駄になってしまいます。
実際に私も開業を考えていますが、
忙しい仕事をしながら顧客獲得をするためのノウハウの勉強と時間の確保ができていません。
なかなか、開業に向けて一歩が踏み出せないです。
また、もう一つの理由が顧問料です。
最初は大手に比べて、安い顧問料でないと仕事が取れません。
開業した知人の社労士の方も「顧問料が安い」と悩んでいました。
いまはAIで作業面を効率的に対応出来るため、作業面の代行には需要がなくなっているのが現状です。
さらに、各事務所が価格競争に走り、顧問料の単価を下げる流れになっています。
なので、お客さんを獲得するために、自分たちも金額を下げて勝負するしかないのです。
顧問がいつまで継続されるかわからず、収入が不安定な面もあるため開業で成功することはなかなか厳しいです。
2. 固定給以外のボーナスや、歩合インセンティブを狙わないと稼げない
社労士事務所で給与を上げる一番の近道はインセンティブを狙うことです。
↓具体的には、以下の2つの方法があります。
- インセンティブを狙う
- 新規の顧客を開拓する
助成金の申請をしている事務所はその成功報酬として、
クライアントから報酬をもらうのが一般的です。
私の会社ではその報酬のうち10%を申請を担当した従業員に還元しています。
1件80,000円ほどの成功報酬がほとんどですので、もらえるインセンティブは8,000円になりますね。
月に2件ほど申請を行えば月16,000円、年間で192,000円のインセンティブがもらえます。
また就業規則の作成費用にインセンティブを設けているケースもあります。
就業規則の相場は200,000円から600,000円ほどです。
仮に300,000円で作成した場合、10%の還元だと30,000円がインセンティブとなります。
月に1件の作成を行うと年間で360,000円のインセンティブが狙えます。
インセンティブの有無で年収が大きく変わるので、積極的に狙っていきましょう。
「顧客を開拓できる社労士」を目指す
新しくお客様を連れてくることができる社労士の方は評価も上がりやすいです。
では、どうやって新規のお客様を連れてくるのか?
一番効率的な方法は、既存のクライアント様からの紹介です。
クライアントが周りの社長や知人を紹介してくれることで顧問契約に繋がることもあります。
新規のお客様を連れてきた場合、顧問料の1ヶ月分をインセンティブとして還元している事務所も多いです。
とはいえ、「新規開拓なんてやったことない」「営業とか苦手」なんて方もいらっしゃると思います。
でも、新規開拓するのに、大切なのはたった一つだけなんです。
顧客開拓のできる社労士になるために、一番大事なこと。
それはあなたの人間性、つまり"人柄"です。
士業なので「知識が豊富な人」や「経験値が必要」というのはもちろん大事です。
ですが、それだけでは顧客の開拓は出来ません。
- 普段から親身になって話を聞いてくれる
- 相談したら最優先で対応してくれる
- いつも笑顔で話しやすい
こういう人を紹介したくなるのです。
あなたが自分の知り合いに紹介するなら、気さくで話しやすい人の方がいいですよね?
こういった意識をもってお客様と接することができれば、高年収を稼げる社労士に繋がります。
3. 「コンサルのできる社労士」は年収が上がりやすい
社労士の仕事は法律を守るように指導することだと勘違いされることがよくあります。
ですが、実際は違います。
社労士は法律を守るように指導するのではなく、
法律の内容を理解した上で、クライアントの要望に応える適切なアドバイスをする仕事です。
「法律的にはこうしないとダメだけど、会社の状況的にはできないんだよ…」
「できれば、このやり方にしたい。場合どうしたらいい?」
↑こういったお客さんの相談に回答できるのがコンサルのできる社労士です。
法律の◯✕は役所に聞けば教えてくれます。
ですが、世の中「◯か×」という2択ではありません。
その間の部分を含めて、お客様にとって最適な提案を行える社労士が求められます。
これで顧問料が決まるといっても過言ではありません。
また、同様に「最新トレンドに乗れる社労士」は給料が高い
トレンドを意識した対応も高収入を目指すためには必要です。
わかりやすいのが、直近で大騒動になったコロナを巡る対応になります。
いままではほとんど扱うことのなかった在宅勤務という働き方を選ぶ会社が急激に増えました。
また申請したことがない新しい助成金の相談も非常に多かったです。
そういった問い合わせがお客さんから来た時に、しっかり相談に乗れる社労士はなかなかいないんですよね。
トレンドに関しては過去の経験では対応できないものが多々あります。
なので、自分の努力次第でチャンスがあります。
いち早く情報を仕入れて対応することで、お客さんの信頼や社内からの信用を獲得することにつながります。
その結果、顧問料の引き上げや、それにともなう自身の収入UPを目指せるようになるのです。
結局のところは、お客様の悩みに寄り添って、最適な提案ができる社労士が給料も上がります。
結局は需要があるところ(お客様のお悩み)に、解決策を示すことが(最適な商品を提案)できるかどうかが、自分の給料に直結すると言えます。
4. 大手の士業法人グループの勤務社労士を狙うのがおすすめ
個人事務所では所長が案件を持つことが多いため、扱える顧問件数にも限りがあります。
顧問件数が売上に直結するため、
個人事務所で高収入を目指すのは難しいのが正直なところです。
勤務社労士として働くなら資金力のある、
大手事務所グループ(税理士その他の士業法人や、コンサルグループなど)を狙いましょう。
↓例えばこちらは、大手の士業法人グループの求人です。
最近では初任給を引き上げている事務所も増えているため、
年収は4,000,000円以上が狙えるところを選びましょう。
未経験歓迎としている会社は教育制度も整っています。
なので、人間関係が良好で、業務に関する質問もスムーズといった場合が多いです。
業界として年齢は高くなりがちなので、平均年齢が自身と近い環境を選ぶのもおすすめです。
>>未経験OK求人あり!実際の社労士法人の求人で年収を見てみる
5. 一般企業の人事総務で働く「企業内社労士」も年収が高い
また、企業人事部でも社労士のニーズは高いです。
年収は4,000,000円程度からスタートですが、
管理職クラスになれば高年収も狙えます。
↓例えば、こういった求人ですね。
実務的な経験が少ない人は、「キャリアチェンジ」などのフレーズを使っている求人であれば教育体制がしっかりしていて働きやすいです。
ただ企業人事の場合は書類整理や管理表の更新など、
専門性のない業務だけをやらされる可能性もあります。
専門性を高められてなおかつ自分がやりたい業務が出来る会社なのか、
業務内容の欄をしっかり確認しておきましょう。
>>優秀なのに低年収な社労士…になりたくない人が知っておくべきたった1つのこと
社労士の給料は安い?平均年収の現実
社労士の働き方というのは独立社労士と、
勤務社労士の2種類があり、違いは以下のとおりです。
- 独立社労士
自分で開業して事務所を構える社労士 - 勤務社労士
企業や社労士事務所に勤めて働く社労士
なお、令和元年 賃金構造基本統計調査によると社労士の平均年収は474万円。
さらに、中央値は419万円です。
同調査によると、同じ士業の中でも税理士は平均年収はおよそ693万円です。
社労士に比べて大きく乖離が生じていますよね。
この数字だけを見ると、「社労士って合格率5%以下の難関資格を取得したのに、給料が低いな」と感じる方が多いと思います。
なお、上述した給料は社労士の資格を持っている人になります。
なので、無資格者はさらにガクンと落ち込んで、年収300万円台という結果になっています。
未経験入社〜ベテランになるまでの社労士の年収推移
今度は私が勤めている事務所を例に、一般的な社員の年収をご紹介しますね。
初任給は未経験で年収4,200,000円からのスタートになります。
1年目では4,500,000円ほどが昇給の平均値です。
3年目になると教育対応など社内での業務も増えてきます。
この時期の年収は5,000,000円ほどです。
5年目以降は昇給するため、社内でも役職クラスの対応が求められます。
- 新規顧客の管理
- 採用面接
- オフィスマネジメント
- 社内業務管理
これができない人に関しては、
6年目以降の昇給は緩やかになり、
6,000,000円が頭打ちの金額となります。
ただ、私の事務所は比較的昇給額も高いです。
なので、ベテランでも他の事務所だと5,000,000円前後が多いですね。
「社労士なのに給料が安い…」なんて事態を避けたい人が知っておくべきこと
社労士は国家資格として有名ですし人気の職種ですが、
↓実際には以下の2種類の社労士がいるのが現実です。
- ホワイトな環境で楽しく働ける社労士
年収600万円スタートの実務経験者や、未経験でも年収400万円スタートでていねいな新人研修からスタートできる社労士など - ブラック企業で搾取されまくる社労士
実務経験5年以上なのに年収400万円台だったり、未経験の新人なのに職場で放置され「新人はお荷物あつかい」で疲弊している新人社労士や勉強中の社労士志望者
特に、初めての職場としてブラック企業やブラック事務所を選んでしまい、
ろくに仕事を教えてもらえずずっと放置され、
やる気を失って社労士という職業そのものを辞めてしまう…
という悲惨な末路をたどる社労士志望者は少なくありません。
↓実際の社労士求人で見るとこんな感じですね。
同じ「未経験OKの求人」であっても、
入社後に稼げるお給料がまったく違います。
あえて2つ目の、条件の悪い求人に応募する人はいないでしょう。
↓実務経験者向けの求人でもこんな感じ。
募集している人材像はほぼ同じですが、
稼げるお給料の額がぜんぜん違います。
こちらもあえて2つ目の求人を選ぶ人はいないでしょう。
注意していただきたいのは、
「優秀な人=ホワイト環境」ではないことです。
とても優秀でまじめに一生懸命頑張っているのに、
年収がなかなか上がらずしんどい生活している社労士…ってたくさんいるんです。
どうせ働くならホワイトな環境で、
やりがいを持って働きたいですよね。
お給料も少しでも高い方が良いに決まっていますし。
なぜ、ホワイトな社労士とブラックな社労士に分かれてしまうのか?
なぜ、こんなふうに差が生まれてしまうのか?ですが、
これは完全に「どういう企業や事務所に所属して働くか?」による違いです。
つまり「自分の会社や事務所がもうかっているか?」の違いですね。
社労士は、営業マンのように「自分で売上を取ってくるような仕事」ではありません。
勤務先企業の業績に応じて、給料やボーナスが決まる職種です。
あなたが社労士としてどんなに優秀であったとしても、
応募先の企業や事務所がもうかっていなかったら、
お給料はいつまでたっても安いまま…になってしまうんです。
逆に言えば、仕事の能力にあまり自信がなかったとしても、
転職先の選択が正しくて、
ホワイトな社労士になれるケースもあるわけですね。
実際、ブラックな社労士事務所で年収300万円で働いていたけれど、
業績の良い企業の人事総務に転職していきなり年収500万円にアップする(年収1.5倍以上にアップ)なんてことは普通にあります。
社労士という職種は「どういう会社や事務所を勤務先に選ぶか?」の選択がものすごく大切であることを知っておいてください。
いますぐは転職できない人もやっておくべきこと
今すぐは転職する気はない/いろいろ事情があって転職活動を始めることはできない状況の人も、
社労士求人専門の転職サイトへの無料登録だけは早めにやっておきましょう。
日常生活や現在の仕事のストレスや疲労が限界までたまってくると、
転職サイトに登録する気力すらなくなるものです。
(精神的に余裕のあるタイミングでやっておく方が良いです)
これをやっておくと、ホワイトな求人を見逃してしまうリスクが避けられますよ。
転職活動って恋愛と同じで「良い求人にたまたま出会えるか?」で決まってしまう部分も大きいですから、
転職活動の情報リサーチはなるべく早い段階から始めておくようにしましょう。
ものすごく仕事が優秀なのに、
転職活動の情報リサーチが足りなくて、
ブラックな働き方を選択してしまう社労士って、
まだまだたくさんいるのが現実です。
この記事を読んでいるあなたはそういう悲しい状態にならないように、
転職サイトを使って日常的に情報リサーチをしておくようにしてください。
いい意味での「逃げ道」を確保しておくのが大切
転職サイトから送られてくるおすすめ求人を日常的にチェックして、
良さげなものが出たらそのつどブックマーク保存しておきましょう。
転職活動のなるべく早いタイミングからこの作業をやるくせをつけると、
「もし、今の職場がどうしても辛くなったら転職もある」
という選択肢を確保することができます。
いい意味での「逃げ道」を確保できますから、
今の生活や職場のストレスが限界になる前に、
「転職」という対策を打つことができるんです。
上でも見たように、転職活動は「良い求人との出会い」で決まってしまう部分も大きいです。
どんなに優秀な人でも、たまたま転職活動を始めるタイミングが遅くて、
少ない選択肢の中から応募先を選ばざるを得ず、
結果としてブラック企業やブラック事務所に転職する…
という事態になってしまうリスクがあります。
こうしたリスクを避けるためにも、
精神的/体力的に余裕のあるタイミングで転職サイトを使い始めて、
おすすめ求人が自動的にメールで最速で届く仕組みをつくっておきましょう。
転職サイトは誰でも無料かつ匿名で使える便利なツールなので、使わない手はありません。
↓こちらは人事や社労士の求人を専門で扱う転職サイトです。
リクナビやハロワと違って、職種に限定して求人を集めているサイトなので、
ホワイトな社労士求人をたくさん見つけることができますよ。
ヒュープロ(人事や社労士の無料転職サイト)
人事や社労士の求人探しはここ!
ヒュープロは、人事や社労士の求人が豊富な無料転職サイトです。
・未経験OKで年収400万円〜
・実務経験者限定で年収600万円〜
・人事採用や教育に関われる求人
・給与計算の実務経験を活かせる求人
・残業ゼロ達成の社労士事務所求人
など、好条件求人が多数ありますよ。
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