英文法を学ぶ上で大事なのは、英語を生きた言語として使いこなすため実践的な英語を頭の中で組み立てられることです。
「文法の基本はわかっているけれど、いざ自分で喋ったり書いたりしようとするとわからなくなってしまう」というのは、文法を「使う」という段階でつまずいているということではないでしょうか。
英会話はもちろん、受験英語や資格英語であっても文法の丸覚えだけでは進歩に限界があります。
ここでは英文法の基礎を理解した人がより英語力を高めてゆくために役立ちそうな参考書をご紹介しましょう。
●一億人の英文法 大西 泰斗・ポール・マクベイ
副題が「すべての日本人に贈る『話すため』の英文法」となっているとおり、非常にスピーキングのために必要な実践的英文法について解説されています。
当たり前のことですが、ネイティブスピーカーの多くは英語の文法を特に意識していません。
「自然に考えたことが文法の形に落とし込まれて口から出る」ためには、文法の構造を頭に入れただけでは不十分なのです。
英語を喋る「イメージ」を頭に描くことに着目している本書はそれだけで手に取る価値が十分 あると思います。
●毎日の英文法 頭の中に「英語のパターン」をつくる James M. Vardaman
英文法も中級以上を目指すとなると、アウトプットを意識しなくてはなりません。
日本人の英語はリーディングは比較的優秀だと言われていますが、スピーチや作文などで自分を表現する力、つまりアウトプット能力が非常に低いと言われています。
これはもともと日本人が自己アピールがあまり上手でないということに加えて、日本の英語教育がインプットに偏っているという問題も指摘されています。
本書では「英語を話すためには声に出す練習をしなくてはならない」「声に出して喋らなければ話せるようにはならない」と断言し、英語のアウトプットトレーニングに主眼を置いて構成されています。
参考書というよりトレーニングブックと呼ぶべきでしょう。
●NEW・山口英文法講義の実況中継 山口 俊治
この本の著者は有名な英語教師・講師であり、本書も長年のロングセラーに輝いています。
この本の特徴として、手取り足取り英文法を教えてくれるというのではなく、自分であるレベルまで勉強している人に対して急所や盲点をピンポイントで解説してくれるというスタイルになっています。
受験生にプレッシャーをかけるためか、「ここはわかっていますね」「簡単ですね」という、確認とも脅迫(?)ともつかないサラリとした口調ですが、 見落としていた部分やウッカリしていた部分をそれとなく自分で発見させてくれる鋭さはやはり著者一流の手腕だと認めざるを得ません。
英語学習が中だるみ気味になったとき、ピリッとスパイスを利かせてくれる参考書でもあります。