カナダは北米大陸の北半分に広がる、10の州と3の準州を持つ連邦立憲君主制国家です。
アメリカ合衆国よりやや広い国土を持ちながら人口は3,400万人と少なく、豊かな自然と天然資源に恵まれた国です。
カナダの公用語は英語で、アメリカよりもかなりイギリス支配の時代が長かったためにアメリカ英語とも違った「カナダ英語」がひろく使われています。
ちなみにカナダは現在もカナダはイギリス連邦の加盟国で英連邦王国の1国ですから「カナダの王様は?」という質問には「イギリスのエリザベス2世」という答えが返ってきます。
カナダの歴史
カナダの歴史は新大陸発見以降、ヨーロッパからの移民によって次第に国家が形作られたという点でアメリカと非常に良く似ています。
というよりアメリカの独立戦争以前はカナダとアメリカには明確な区分がありませんでした。
やや乱暴な言い方をすれば独立戦争によってアメリカ合衆国が成立した後もイギリス植民地として支配されていたのがカナダ、ということになります。
北米大陸の地図を見るとわかりますが、カナダとアメリカの国境はロッキー山脈からウッズ湖 にかけて定規で線を引いたように北緯49度線で仕切られています。これはアメリカの独立戦争後、1783年のパリ条約で人為的に引かれた国境だからです。
フランスの影響
カナダはアメリカ大陸発見後多くのフランス人が入植し、イギリス領となるまでフランスの影響力が強かった国です。
ミシシッピ川の流域からメキシコ湾に至る地域は久しくフランス領だったこともあります。
このため現在もフランス系のカナダ人は多く、文化やものの考え方、そして言語にもフランスの影響を多分に受けています。
アメリカとの関係について
カナダはアメリカと経済・軍事面などで非常に密接に関係しているパートナー同士で、両国は世界最大の貿易相手国となっています。
特にNAFTA(北アメリカ自由貿易協定)以降、両国の経済は融合しているといってもよいでしょう。現在は世界経済の中で「北米」とひとくくりに語られることも多くなっています。
カナダ英語について
カナダはアメリカと接しており人間の交流も盛んなため言語の面でもかなり融合が進んでいます。
しかしカナダはイギリス支配がアメリカよりかなり長かったためキングズイングリッシュとアメリカ英語の中間的なものになっており、イギリス英語とアメリカ英語の用語が混在し、用法や文法規則も入り混じっています。
また、上記の通りフランスの影響も強かったためにカナダ英語だけにあるフランスから取り入れた表現も少なくありません。
ただしカナダ都市部に住む人たちの英語の発音は正統キングズイングリッシュに近く、非ネイティブが留学して英語を学ぶのに適しているとしてバンクーバーやトロント、ビクトリアなどの都市には多くの語学学校があり、日本からの留学先としても人気が高まっています。